投資によって賃貸不動産から生じる利益を得たいと考える場合、選択肢が2つあります。1つがリートへの投資、もう1つがアパート経営です。しかし、どちらが自分にとって有利かについて悩んでいる人もいるでしょう。そこで、リートとアパート経営についてそれぞれの特徴などをご紹介します。

☆リートとアパート経営!それぞれの特徴やメリット

リートもアパート経営も広い意味での不動産投資ですが、両者にはそれぞれ違った特徴があります。リートの特徴は、不動産を直接所有するのではなく、証券化された投資口を所有することで投資をします。投資形態としては株式投資と似ています。収益については、リートが得た賃貸料から経費などを引いた金額を収益分配金として受け取ることになりますので、利益の性質はアパート経営で得る利益と似ているという特徴があります。売却も簡単です。一方、アパート経営の特徴は、土地やアパートを直接所有することになりますので、多額の資金が必要となることがあげられます。また、収益に関しては家賃がベースになりますので長期的に安定して得られるという特徴もあります。証券投資とは違い、実際に賃貸経営を行うことになりますので、経営能力が求められる点も特徴といえるでしょう。一般的には物件の売却に時間がかかることも特徴の1つです。

☆リートに向いているのはこんな人!

リートへの投資は、長期的に安定した収入が得られる不動産投資のメリットを享受したい人にとっては魅力的な投資となります。さらに、リートの特徴を踏まえると、アパート投資よりもリートへの投資に向いている人がどんな人かが見えてきます。まず、リートは証券化された投資商品ですので、実物不動産に投資するよりも少額で投資ができるメリットがあります。投資可能資金が少ない人がリートに向いているといえるでしょう。また、投資したあとで不動産物件を管理したり家賃を回収したりする必要はありませんので、投資後の労力を最小限にとどめたい人にも向いているといえます。さらに、リートの流動性の高さという特徴から考えると、機動的な投資資金の回収や別の金融商品などへの再投資の可能性がある人もリートへの投資に向いているでしょう。

☆アパート経営に向いているのはこんな人!

では、アパート経営に向いている人はどんな人なのでしょう?

アパート投資の特徴は、賃貸不動産物件を直接所有することです。そのため、多額の資金を調達できる能力が求められます。自己資金が豊富であることも必要ですが、それ以上に、レバレッジをあげるための借入能力が十分あることも必要です。

また、すでに相続などで土地を所有していてその土地の有効活用方法を検討している人も、土地の取得資金が不要ですので、アパート経営に向いている人だといえます。投資物件を売却して現金化するには時間がかかることが多いですので、資金に余裕がある方がよいでしょう。さらに、管理会社にほとんどの部分を任せるとしても、アパート経営を成功させるには一定の賃貸経営能力が求められます。賃貸経営センスがある人が向いている投資だといえるでしょう。

☆リートとアパート経営!優れているのは…

リートとアパート経営にはそれぞれ違った特徴がありますし、向いている人も違います。そのため、一概にリートとアパート経営のどちらが優れているかについて、同列に並べて単純に比較することは難しいでしょう。それぞれの投資の特徴と投資家の特徴の組み合わせによりどちらが優れた投資になるかが決まることになります。どちらも実質的に賃貸不動産による利益が得られる点は同じです。

資金力や流動性、経営ノウハウの有無などの条件を冷静に判断し、自らにとって有利な投資はどちらかを判断することが大切です。賃貸不動産から得られる安定した収入は、現役世代にとっては心強い副収入となり、老後世代にとっては年金に上乗せする貴重な収入となるでしょうから、リートかアパート経営のどちらに向いているかを冷静に判断して投資を始めるとよいでしょう。